事務所だより 7月号
本格的な夏の前に、木々の緑が色濃くなってまいりました。
蒸し暑い日が続いておりますが、お身体ご自愛下さい。
それでは、今月の事務所だよりをお届けします。
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◆ 2023年7月の税務
◆ 「健康経営」推進のメリット
◆ 相続土地国庫帰属制度 ―利用の要件―
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◆ 2023年7月の税務
7月10日
●6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付(年2回納付の特例適用者は1月から6月までの徴収分を7月10日までに納付)
7月18日
●所得税の予定納税額の減額申請
7月31日
●所得税の予定納税額の納付(第1期分)
●5月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●11月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
○固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付(7月中において市町村の条例で定める日)
◆ 「健康経営」推進のメリット
▽国も推進する「健康経営」
「健康経営」を所管する行政官庁をご存じでしょうか。「健康」というワードから厚生労働省を想像するかもしれませんが、実は経済産業省です。
経済産業省がヘルスケア政策として取り組んでいることの一つが健康経営になりますが、このヘルスケア政策には3つの柱があります。1.国民の健康増進(健康寿命の延伸)2.持続的な社会保障制度構築への貢献(医療・介護本体の高度化、生産性向上など)3.経済成長(労働力の量と質の確保など)の3つの柱を同時実現させることを政策目標としています。そして、この政策目標実現の需要面からの施策が健康経営の推進(企業が従業員の健康づくりをコストではなく投資として捉え、人的資本投資の一環として推進)です。
▽健康経営優良法人認定制度
国は健康経営を推進するために各種の顕彰制度を設けています。そのうち最も企業の認定申請が行われているのが「健康経営優良法人」の認定制度で、2021年度における中小規模法人部門での申請法人数は12,849社(認定法人数12,255社)となっており、また、2022年度の申請法人数は2022年11月時点の数字で14,430社と前年より1,500社以上増加し、年を経るごとに申請する企業数が増えており、注目度合いが上がっていることが窺えます。なお、2022年度から健康経営優良法人認定制度の事務局運営が民間に委託され、現在は「㈱日本経済新聞社」がその
委託を受けています。
▽企業における健康経営推進のメリット
企業特に中小規模法人において健康経営優良法人の認定を受ける効果(メリット)にはどのようなものがあるでしょうか。一つは労働市場への効果で、採用活動などで健康経営を活用する企業が増加しています。2022年6月からハローワーク求人票の中で健康経営優良法人ロゴマークが利用可能になり、また、大手就職・転職サイトでは特設ページなどにより健康経営に関する普及啓発を強化しています。その他の効果としては、金融機関84か所(2021年時点)で融資や保証料の健康経営推進に関するインセンティブ措置が採られていることなどが挙げられます。
◆ 相続土地国庫帰属制度 ―利用の要件―
相続で取得した土地が建物を建築できない敷地や郊外の利用価値の低い土地の場合、これまでは手放したいと思っても放置せざるを得ませんでした。しかし、このような土地でも要件に合えば、国に引き取ってもらえる相続土地国庫帰属制度が、令和5年4月27日から始まります。
▽国に帰属させる要件
相続土地国庫帰属制度は、相続又は遺贈で取得した土地について法務大臣の承認を得て負担金を納付することで利用できます。令和5年4月27日以前に相続した土地も対象になります。
ただし、次のような利用制限のある土地は申請できません。例えば、建物がある土地、抵当権や地上権、賃借権などが設定されている土地、通路など他人に使用されている土地、土壌汚染のある土地、隣地との境界が明らかでない土地など、これらの土地は制限を解消しないと申請できません。
また、一定の勾配や高さのある崖地、土砂災害のおそれのある土地、地上や地下に管理・処分を阻害する有体物がある土地、隣接地の所有者と争いがある土地などでは、申請しても承認を受けられない場合があるので注意しましょう。
▽土地の境界が明示されていること
相続土地国庫帰属制度の要件に該当するかは事前相談することができます。しかし、その前に、現地を見ておくことが必要です。申請の後、法務局の担当官が現地に赴き、境界がどこにあるかを確認します。長く放置された土地の場合、境界がすぐに判別できないこともあります。
審査にあたっては、申請する土地と隣接する土地との境界を明らかにする写真、土地の形状を明らかにする写真を用意しておくことが必要です。また、隣接地の所有者が認識している境界と相違がなく、争いがないことも要件になります。
境界を確定させる場合には、土地家屋調査士など専門家に相談すると良いでしょう。
▽通路の用に供されていないこと
通路など他人の通行に使用されている土地は、相続土地国庫帰属制度の対象外となります。ただし、現在、通路や道路として使用されていなければ申請することができます。土地が実際にどのように利用されているかについても、事前に現地を確認しておきましょう。